近藤高弘「水庭と空和」

2019年9月13日(金)〜10月19日(土)

 

10月5日(土)にアートビオトープ那須「水庭」で予定されているナイトイベント「水庭夜会」(仮称)。その開催に合わせ、ギャラリー册ではイベント関連展「水庭と空和」展を開催いたします。
今回のイベントで発表される近藤高弘氏の作品は、イサム・ノグチの愛した「伊達冠石」で知られる、宮城県南部に位置する大蔵山から産出される「大蔵寂土」を使用した、世界で初めての陶芸作品です。
「水庭と空和」展では、この類稀な土を用いた茶碗などの新作と、大蔵山と「大蔵寂土」に関する展示、そして写真家キクマヤスナリさんによる超高性能カメラで月光だけで撮影した水庭の写真を展示いたします。

画像:伊達冠石と大蔵寂土

※ナイトイベント「水庭夜会」(仮称)の詳細につきましては、近日中に発表予定です。

 


近藤高弘  Takahiro Kondo

1958年京都市東山清水に生まれる。学生時代卓球選手として高校・大学の日本チャンピオン、国際大会日本代表。
京都市工業試験場研修生修了後、陶芸家の父・近藤濶の工房で修行。2002-2003年文化庁派遣芸術家在外研修員、エディンバラ芸術大学修士課程修了(Inglis Allen Masters賞 受賞)。
近年の個展に、瀬戸内市立美術館(岡山)、ジョーンBマービスギャラリー(ニューヨーク)、何必館・京都現代美術館(京都)。メトロポリタン美術館、スコットランド国立博物館、ギメ美術館他パブリックコレクション多数。

 

伊達冠石と大蔵寂土

宮城県南部の阿武隈山系北端に位置する標高300mほどの里山・大蔵山。この地で採取される伊達冠石は、今から約2000万年前にこの地に噴出したマグマと海底沈下により生成された玄武岩質安山岩である。焼き物のような表情を持つもの、土色のもの、様々な表情をもつ表面に対し、内側は一様に黒檀色を呈しており、また年月とともに鉄錆色が少しずつ深化してゆく独特の石である。
この伊達冠石を包み込んでいる、深い赤みを呈した土「大蔵寂土(おおくらさびつち)」は伊達冠石が長い年月を掛け、地中で石が分解されて生成されたもの。
赤い顔料は古来神聖な色として、世界各地の墳墓の石棺内部や、民族衣装、祭祀を行う際のボディーペインティングなど、様々な場面で使用されてきた。
大蔵山スタジオでは、伊達冠石や大蔵寂土が産出する大蔵山全体を神聖な場と捉え、山の恵みに感謝する気持ちを込め、この山より産出される巨石を祀った文化施設群を建造、太古の時代に共有していたプリミティブな感覚を呼び覚ます機会を、この地を訪れる人々に提供している。 今回の企画はこの土を用いた、世界で初めての陶芸作品としての試みである。

 

※企画内容は予告なく変更となる場合があります。ご了承ください。

 

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