「ゲーテの目」Ⅰ
── 舞踊する眼差し 関根直子 VS. 長谷川さち

2019年6月22日(土)〜7月20日(土)

 

新しい文化共同体「アート・ビオトープ那須」の、東京における拠点であるギャラリー冊では、2018秋の「ゲーテの手」に続いて、気鋭の作家二人を紹介する。ギャラリー冊は北山ひとみが長く、ガラス作品を中心に現代工芸を展開して来たが、今回は、鉛筆画で深い新境地をみせ、高い評価を受けている関根直子と、石彫からガラス素材へ展開しつつある、新鋭長谷川さちの、「合わせ技」。

「目は手よりも物を云い、、。」と冗談半分にいう訳ではないが、かの『ファウスト』によれば、「日常を静謐に凝視する」聖者ファウスト博士がおり、また「魔王のごとく、天空を飛んで、俗世を嘲笑する」悪魔メフィストフェレスが、いる。
それは、単に、視覚を鳥瞰と接視に二分してのことではない。
南画を思わせる恬淡で精緻な鉛筆画から出発した関根は、ラスコー洞窟画やロスコ・チャペルの深い体験を昇華して、まさに「イメージ」を超えて、実在の像からのメタフィジカルな「眼差しとしての遠さ」を描こうと苦闘し、瞠目すべき境地を出現させつつある。
また長谷川は、日常目にする、あるいは自らの肉体が思い描いた幻の「家具」を彫ることから、やがて「目の速度」やら「目の運動」が、日日の修道増的鍛錬のなかで、グングンと彫れるようになって来た新鋭だ。
この二人、おそらくは、今後の日本現代美術を背負うことになるだろう二人の、「目の舞踊」の顕現(エピファニー)をご覧いただきたい。

── ゲスト・キュレーター 新見隆(アート・ビオトープ那須文化顧問、武蔵野美術大学教授、大分県立美術館顧問、イサム・ノグチ庭園美術館学芸顧問)

 


オープニングパーティ 6月22日(土)17:00~19:00


ワークショップ「千鳥ヶ淵をアートで遊ぼう」

本展を企画・監修頂いた新見隆先生と武蔵野美術大学の皆さんによる楽しいワークショップです。千鳥ヶ淵を散策し、テーマを見つけた後作品を制作します。お子様から大人まで、どなたでも自由にご参加頂けます。
お申し込みはお電話にてお申し込みください。

開催日時:7月14日(日)10:30~15:00
参加費: 1,000円(材料代とお茶)
講師:武蔵野美術大学生有志+新見隆
※12:00~13:00の間は昼食時間となります。昼食はご持参頂くか、近隣のコンビニエンスストア、飲食店をご利用ください。

 


関根直子

2001 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了

個展
2018「風景の作用ーThe Action of Secenery」GALERIE ANDO 東京 松濤
2017「Sekine Naoko」展 MA2Gallery 東京 恵比須
2016「終わらない庭-Act of Scenery」GALERIE ANDO 東京 松濤
2015「ここに、はての、拡散した1」MA2Gallery 東京 恵比須
2014「言葉の前の音」GALERIE ANDO 東京 松濤
2012「先行するものたちへ-Naoko Sekine Creations in 1999」 第一生命南ギャラリー 有楽町 「昼と夜、時の間-go for a walk at twilight」MA2Gallery 東京 恵比須
2010「線-音-意味」 脇田美術館 長野 軽井沢 「Winter Lights」GALERIE ANDO 東京 松濤
2009 「SECRET EXHIBITION」 MA2Gallery 東京 恵比寿 「9月の庭」 art space kimura ASK? 東京 京橋
2008「巡る、佇む」GALERIE ANDO 東京 松濤
2004「そとがわのうちがわ」 トーキョーワンダーサイト 東京 本郷「線、海からの帰還」 αmプロジェクト/art space kimura ASK? 東京 京橋
他グループ展多数

受賞
2008 府中市美術館賞 / VOCA展2008
2002 トーキョーワンダーウォール賞/ トーキョーワンダーウォール公募2002

パブリックコレクション
府中市美術館、東京都現代美術館、竹田市立図書館

2013 文化庁海外研修制度 研修員 フランス、パリ

 

長谷川さち

1982年兵庫県生まれ。 2004年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。 2006年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース修了。

個展
2005 ガレリア・グラフィカbis(東京)
2008「ここらからそこまで」村松画廊(東京) 「天気売り」ヒノギャラリー(東京)
2011「白い家」ヒノギャラリー(東京)
2012「broom」switch point(東京)
2013「路上」Plaza Gallery(東京)
2014「虎の子を渡す」ヒノギャラリー(東京)
2017「そらみつ」ヒノギャラリー(東京)、「長谷川さちの彫刻-レイライン」 平塚市美術館(神奈川)
2018 「常設展:Because It’s There」 ヒノギャラリー(東京)、「マルチバース」 switch point(東京)
他グループ展多数

 

REPORT

7月14日(日)、「ゲーテの目Ⅰ―舞踊する眼差し 関根直子VS.長谷川さち」関連ワークショップ「千鳥ヶ淵をアートで遊ぼう」が開催されました。当日はあいにくの雨模様となりましたが、お子様から大人まで賑やかに制作体験をお楽しみいただけました。
ファシリテーターをしてくださった武蔵野美術大学の学生の皆さんから当日のレポートが届きましたのでご紹介いたします。

レポートは以下のリンクをご覧ください。

新見隆教授のスケッチ
武蔵野美術大学学生さんのレポート
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