知的に騒がしい-ギャラリー册-

【終了報告】佐村憲一茶道具展「森のおと」関連イベント「茶杓削りワークショップ」

佐村憲一茶道具展「森のおと」関連イベント「茶杓削りワークショップ」の第二回目が、6月23日(土)終了しました。このワークショップは、グラフィックデザイナーである佐村憲一さんの指導により茶杓を制作するもので、随所にデザイナーらしい視点が感じられる、ユニークなワークショップとなりました。

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ワークショップはまずは素材選びから始まります。材料の煤竹は、農家の囲炉裏の上で長い年月をかけて燻された、今では入手不可能な貴重なもの。長年の間に乾燥してしまっているので、茶杓を削る際には事前に一週間以上水に漬け、水分を含ませておくそうです。様々な表情を持つ竹を選んだあとは、見本となる茶杓を参考に大体の寸法を決め、鉛筆で印をつけます。その印をたよりに、ろうそくの炎で慎重に竹を曲げていきます。「曲がれ、曲がれと念を送りながら曲げるんです」という先生の冗談に笑いながらも、皆さんの表情は真剣そのもの。ある程度曲がったら水に漬けて冷やし、燃えないようにしながらゆっくりと曲げていきます。

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ある程度の形が出来たら煤を拭きとり、いよいよ削っていきます。手元の方は細く、先端部分の抹茶を掬う「櫂先」の方は広めに幅を取りながら、小刀で削っていくとだんだん茶杓の形が見えてきます。言葉もなく、無心に茶杓を削っていく作業には、何か精神修行のような雰囲気も漂います。

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小刀を駆使しながら厚みを調整し、紙やすりで滑らかに裏面を整え、ようやく茶杓が出来上がりました。その後、お茶とお菓子を楽しみながら、茶杓の銘を考え、それぞれの茶杓を拝見します。「茶杓には不思議とその人の体型やイメージなど、個性が自然と現れてくるんです」という先生のお話のように、参加者の皆さんはそれぞれ自分らしい一杓を作り上げられていました。美しい和紙の折り型に包まれた茶杓は、日々の一服やお茶会などで、話題の中心となることでしょう。