知的に騒がしい-ギャラリー册-

「黒と黒/白と白―手技(アルス)の深層「ゲーテの手」樋口健彦VS留守玲/さかぎしよしおうVS徳丸鏡子 二人展」

ギャラリー册では、10月12日より「2018年秋、工芸と美術の交わり」と題して2つの展覧会を開催いたします。
国立近代美術館の工芸館にもほど近い千鳥ヶ淵、心地よいお堀散策を兼ねて芸術の秋をお楽しみください。

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留守玲:「領域」鉄

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樋口健彦:所蔵:医療法人伯鳳会 明石リハビリテーション病院 設計・施工:竹中工務店 撮影:古川泰造

「4007」 磁土 2004 年

さかぎしよしおう:「4007」 磁土 2004 年

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徳丸鏡子:「してえる島」 磁器 2017年

◆「黒と黒―手技(アルス)の深層Ⅰ「ゲーテの手」 樋口健彦VS留守玲 二人展」
会期:10月12日(金)-11月3日(土)
オープニングパーティ:10 月 12 日(金)18:00 -20:00
※当日は海老澤宗香さん(裏千家)による呈茶席もお楽しみいただけます

◇「白と白―手技(アルス)の深層Ⅱ「ゲーテの手」 さかぎしよしおうVS徳丸鏡子 二人展」
会期:11月7日(水)- 12月8日(土)
オープニングパーティ:11 月 7 日(水)18:00 -20:00

会場   :ギャラリー册
定休日  :月曜、日曜、祝日
観覧料 :無料
お問い合わせ: 電話03-3221-4220(ギャラリー册)

フライヤーはこちらからご覧ください:satsu_exhibition-04

現代工芸と現代美術の先鋭的交わりは、すでに彫刻か、工芸かという判別そのものを超えて、彫刻や工芸にそれぞれ固有の、に沈潜し、それを極限にまで極め、そこに表現者そのものの身体を投げだし、投企するような、そして同時に、限りなく自己反省的で内省的時間を内包しようとする、謂わば「哲学的」とも言い得る批評的営為を併せ持っていて、今、瞠目すべき活況を呈している。ここに、その先鋭的先端を示す、四人の現代作家を紹介する。
シリーズの第一回は、黒と黒、生命の内部器官のような形象を、ミニマルで自省的な黒い焼きもので展開し続けて評価の高い、樋口健彦と、近年、鋳物の粒の焼き付けによって、驚くべき、「表面」の彫刻化を成し遂げつつある留守玲の、ダイナミックにぶつかる二人展。
シリーズの第二回は、磁土の丹念、精密なたらし込みを焼成した立体で、圧倒的な宇宙観を示し続けるさかぎしよしおうと、白い、「花びらが生命のように燃える」焼き物で、部分と全体の一体となった造形を追い、「言祝ぎ」を謳歌する徳丸鏡子、この二人の異なる境地を紹介する。
四人に共通するのは、「手と物質」の接触点、「植物生命の成長の先端の出現」にこだわるその姿勢であって、それはある意味きわめてゲーテ的であって、ゲーテによる「生命成長理論」、その現代における、甦り、とも言い得るのではないか、という試論的試みである。

(註)「アルス」の考えについては北澤憲昭さんの論から借りた。
(註)ゲーテとゲーテの理論については、映像家、シュタイナー派の研究者である、能勢伊勢雄さんのものを拝借した。「日本において、ものづくりの原点には、生への言祝ぎがあった」とは、徳丸自身の言葉。

(新見隆、本展ゲスト・キュレーター 武蔵野美術大学教授、大分県立美術館館長、二期リゾート文化顧問)